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【事例1】私は靴の販売店の店長です。
店で靴を購入したお客さんから電話があり,「1か月後の友人の結婚式に履いていくつもりで買ったが、シミがあった。」とのクレームがありました。

Q1 (事例1で)お客さんは「今日中に靴を交換しろ。自分は仕事で夜まで時間があかないので、夜10時に店に行くから対応しろ」と要求してきました。
しかし、夜10時は当店の営業時間外です。
今日中に対応する法的義務はありますか。


一般に今日中に対応する法的義務はありません。
要求の内容からして緊急性がないからです。
「申し訳ありませんが,こちらの営業時間内に商品をお持ち下さい。不良品と確認できたら交換させていただきます」と回答すればよいでしょう。
ただ、商売ですから、言い方や営業方針の決定には工夫が必要です。
業種やクレーム内容等に応じた、より実践的なアドバイスについてはご相談下さい。

 

Q2 (事例1で)Q1のアドバイスのとおり、「こちらの営業時間内に対応させていただきます」と回答しました。
ところが、お客さんは納得するどころか、「どうしても夜10時に対応しろ!」と怒鳴ってきました。どうすればよいですか。


どれだけ怒鳴られても、「申し訳ありませんが、営業時間外なので対応できません。」と繰り返し回答し続けましょう。
業種やクレーム内容等に応じた、より実践的なアドバイスについてはご相談下さい。

 

Q3 (事例1で)Q1のアドバイスのとおり、「こちらの営業時間内に商品をお持ち下さい」と回答したところ、お客さんは「そっちが俺の家まで商品を取りに来い」と言ってきました。
応じる法的義務がありますか。


応じる法的義務はありません。
相手の支配領域で対応することは、リスクが非常に大きく、避けるべきです。
例えば、自宅だという場所に行ってみたら、そこは暴力団事務所だという場合もありえます。
そうでなくとも、複数の人から脅迫されたり、長期間拘束されたりすることもあります。
クレーム対応はこちらの支配領域内で行うのが基本です。
ただ、商売ですから、言い方や営業方針の決定には工夫が必要です。
業種やクレーム内容等に応じた、より実践的なアドバイスについてはご相談下さい。

 

Q4 (事例1で)Q1のアドバイスのとおり「こちらの営業時間内に商品をお持ち下さい」と回答したところ、お客さんは激しく怒り、「今から店に行くぞ!」などと怒鳴ってきました。
店に来ると大声で騒ぐかもしれません。
騒がれるくらいならこちらから出向いた方がよいでしょうか。


騒がれるかもしれませんが、来店してもらうことをおすすめします。
店で騒がれることを恐れて相手の指定する場所で面談することの方がリスクが大きいといえます。
騒がれた場合、まず退去を求めましょう。それでも退去しない場合は「お引き取りいただけない場合は不退去罪として警察を呼びます」と通告し、応じなければ警察に連絡しましょう。
業種やクレーム内容等に応じた、より実践的なアドバイスについてはご相談下さい。

 

Q5 (事例1で)お客さんから何度も強く要求されてどうしても断り切れず、やむなくお客さんの指定する場所での話合い(交渉)をすることになりました。
話合いにあたって気をつけることを教えてください。


必ず複数で対応することです。
一人で対応すると証拠が残らないと思われて不当な要求・攻撃を受けやすくなりますし、冷静な対応が難しくなるので避けるべきです。
また、話合いの際には、話をする人と記録を取る人に役割分担をすることもポイントです。
さらに、危険が予想される場合には、長時間連絡が取れなくなったら警察に通報するように第三者に依頼しておくという方法もあります。
具体的な対応方法についてはご相談ください。

 

Q6 (事例1で)お客さんの自宅で交渉中、交換させていただきますと回答したところ、「同じ商品との交換では納得行かない、お詫びの意味で最高級のものに交換しろ」と要求してきました。そこで、「持ち帰って検討します」と回答したところ、「今すぐ結論を出せ,出すまで帰るな」と言ってきました。

どうしたらよいですか。
 
「帰るな」と言われても、そこにとどまる義務はありません。
「会社として意思決定しなければなりませんので、私の一存では決められません。一度会社に持ち帰って検討させていただきます。失礼します」とだけ言って帰りましょう。
それでも無理にあなたのことを拘束しようとすれば犯罪(監禁罪)になります。
業種やクレーム内容等に応じた、より実践的なアドバイスについてはご相談下さい。

 

Q7 (事例1で)Q6のアドバイスを受けましたが、私の店は個人商店であり、私自身が決裁権者です。
この場合は、どう言って断ればよいですか。
 
「(顧問)弁護士に相談するので今ここでは決められません」と言って断るのがよいでしょう。
いずれにしても、この場では結論が出せないと言って結論を先送りすることがポイントです。
業種やクレーム内容等に応じた、より実践的なアドバイスについてはご相談下さい。

 

【事例2】私は電気販売店の店長です。
当店で買ったテレビが不良品なので交換しろと言うお客さんがいます。

Q8 (事例2で)不具合を確認するためにはお預かりする必要があるので、お客さんに氏名・住所を尋ねたところ、「何でそんなことを言わなければいけないんだ!」と言って教えてもらえません。
どうすればよいですか。

「ご連絡先を教えていただけないのであれば当店として対応はいたしかねます」と言って対応を打ち切りましょう。
このケースについては、お客さんの要求内容が正当かを判断するためにテレビを預かる必要があり、お客さんの連絡先がわからないと対応できないからです。

 

Q9 (事例2で)Q8のアドバイスのとおり、「対応はいたしかねます」と答えたところ、「その失礼な対応は何だ。お前の対応で精神的損害を被ったから慰謝料を払え」という電話が何度もかかってくるようになりました。
電話の時間は必ず2~3時間に及び、業務に支障をきたしています。
長電話を切る何かいい方法はありませんか。
 
「では〇〇分だけお話をお聞きします」と対応時間を予め告げておく方法や、「次の予定がありますので失礼します」と言って切る方法があります。いずれの方法でも、話の途中であったとしてもこちらから切るのがポイントです。
業種や内容等に合わせたより実践的なアドバイスについてはご相談下さい。

 

Q10 (事例2で)Q9のアドバイスのとおり、電話をこちらから切ったところ、お客さんがまた電話をかけてきて「話の途中で電話を切るとは何事だ!」と怒られました。どうすればよいですか。
 
「次の予定がありますので失礼します」など、さきほど言ったのと同様の理由を告げて電話を切りましょう。
お客さんがさらにかけ直してきても同じように対応しましょう。

 

Q11 (事例2で)お客さんが毎日のように電話をかけてきて慰謝料を繰り返し要求します。
何度お断りしても電話をかけてきます。同じことの繰り返しで対応に困っています。
どうすればいいのでしょうか。
 
「既にお答えしているように、要求には応じられません。これ以上お話しても結論は変わりませんので失礼します。」と言ってこちらから電話を切りましょう。
弁護士に対応を依頼し、対応窓口を弁護士事務所にするのも1つの方法です。
業種やクレーム内容等に応じた、より実践的なアドバイスについてはご相談下さい。

 

Q12 (事例2で)お客さんが、今度は毎日のように会社に押しかけてきて受付で大声を上げるので、業務に支障をきたしています。
どうすればいいのでしょうか。
 
まず退去を求めましょう。それでも退去しない場合は「お引き取りいただけない場合は不退去罪として警察を呼びます」と通告し、応じなければ警察に連絡しましょう。
業種やクレーム内容等に応じた、より実践的なアドバイスについてはご相談下さい。

 

【事例3】私は弁当店の店長です。
当店の弁当を食べてお腹を壊したというお客さんがいます。

Q13 (事例3で)お客さんとの対応で、お客さんの自宅で6時間以上拘束され、ナイフを突きつけられて、「一筆書け、書かないとお前の家族もどうなるかわからんぞ」と強く脅された結果、1000万円補償するという内容の文書(念書)を書いてしまいました。
1000万円を支払うという約束を取り消すことはできませんか。


脅されてした約束は取り消すことができます(民法96条・強迫取り消し)。
具体的な取消しの方法等は是非ご相談ください。

 

【事例4】私は、お客様相談センターの担当者です。

Q14 (事例4で)対応したお客さんから、「お前では話にならないので上の者を出せ」「社長を出せ」と言われた場合、応じなければなりませんか。

応じる必要はありません。
「私が当社の責任者です」と説明すれば十分です。
業種やクレーム内容等に応じた、より実践的なアドバイスについてはご相談下さい。

 

【事例5】私はスーパーマーケットの店長です。
お客さんが「総菜を買ったら中に異物が入っていて、口の中を怪我して病院に通院した。治療費と慰謝料を支払って欲しい」と言ってきました。

Q15 (事例5で)本当に異物で怪我をしているかどうか確認するため、お客さんに対して「診断書を見せてください」とお願いしました。
しかし、その後まったく反応がありません。
放っておいてもよいものなのでしょうか。


放っておいて構いません。
こちらから「どうなりましたか」などと尋ねたことにより、寝た子を起こしてしまった(要求が再燃した)ケースもありました。

 

Q16 慰謝料の支払をお断りしたところ、今度は、「誠意を見せろ」「何が誠意かはお前の方で考えろ」と言われて,困っています。どうすればよいですか。
 
「誠意とは何でしょうか」と逆に相手に問い返した上で、「具体的に言っていただかないと検討できません」と言う方法が効果的です。
業種やクレーム内容等に応じた、より実践的なアドバイスについてはご相談下さい。

 

Q17 クレームが正当なクレームかどうかを見極める基準を教えてください。

 

以下のポイントで判断していきます。
① こちらに落ち度、ミスがあるのか。
② そのミスによって、何らかの損害が生じているのか。発生した損害に対して、法律的な対応をする必要があるか。
③ その要求内容が、適正か。
④ 要求のしかた・態様が、適正か。

 

Q18 「金を払え、さもなくばマスコミに言ったり、ネットに書き込む」と言われてしまいました。応じた方がよいでしょうか。
 
応じるべきではありません。
このような要求のしかた・態様は不適正で違法あり、不当なクレームとして拒絶すべきです。
応じてしまうと、さらなる要求を受けたり、別の人物から同種の要求を受けることになりかねません。

 

Q19 暴力団員風の人からのクレームなので不当なクレームとして拒絶したいのですが、対応に問題があるでしょうか。
 
問題があります。クレームに応じる義務があるか否かは、あくまでそのクレームの内容から判断しなければいけません。
相手の外見が怖いからといって応じる義務のないクレームだとは限らないのです。

 

Q20 あるお客さんがクレームを言ってきました。そのお客さんは過去に別件で悪質なクレームを言ってきたことのある人です。そのときはお客さんの要求を拒絶しました。
不当なクレームとして今回も拒絶したいのですが、対応に問題がありますか。
 
対応に問題があります。クレームに応じる義務があるか否かは、あくまでそのクレームの内容から判断しなければいけません。
過去に悪質なクレームをつけてきたからといって今回もそうだとは限らないので、その都度、個別に判断すべきです。

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