Q1 弁済等の一般的な回収を得る手段は、相手方が任意に応じないとだめだということですが、強制的に回収するにはどうすればよいですか。 予め担保を取っておけば、債務が任意に履行されない場合にも、強制的に回収することができます。
Q2 担保にはどういうメリットがあるのですか。 相手方が支払わない場合でも、担保に取った財産を強制的に処分するなどして、その財産から回収することができます。 担保がもっともその力を発揮するのは、相手方が倒産した場合です。担保は原則として倒産手続の影響を受けませんので、相手方が倒産しても、担保を処分して回収を得ることが可能です。
Q3 物的担保としては,何を担保に取ったらよいでしょうか。 不動産、有価証券(手形など)、在庫商品、第三者に対する債権(賃貸借契約の敷金返還請求権、売買代金(売掛金)債権など)です。 また、取引保証金を差し入れてもらう方法もあります。
Q4 抵当権とは何ですか。 債務者又は第三者が債務の担保として提供した不動産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利をいいます。 不動産に抵当権を設定したことは、不動産登記簿に登記することで第三者に対抗できます。
Q5 抵当権の実行は具体的にはどのようになされますか。 裁判所に対して競売の申立をして競落金の中から回収することになります。 また、競売ではなく、債務者が自主的に不動産を売却し、抵当権を解除することを条件に売却代金の中から取回収を得るという手法もあります。これを任意売却といいます。
Q6 質権とはなんですか。 債権の担保として、債務者または第三者から物(不動産や動産、債権)を受け取り、これを占有することによって、その物について他の債権者に優先して弁済を受けることができる権利です。 不動産を質にとった場合、抵当権とは異なり、所有者自身にはその不動産を使用収益する権利はなくなります。
Q7 質権の実行は具体的にどのようになされますか。 不動産質権の場合は抵当権同様に、競売を申し立てます。 また、動産質権については競売の他に、より簡易な換価方法も選択できます。 さらに、債権質権の場合は、その債権の債務者(第三債務者)に対して直接取り立てることができます。
Q9 債権も譲渡担保に取れると聞きました。具体的な方法を教えてください。 対抗要件として、確定日付のある通知・承諾を得る必要があります。また、債権譲渡担保登記の制度を利用する方法もあります。個別ケースに応じた具体的な手法についてはご相談ください。
Q10 譲渡担保権の実行は具体的にどのようになされますか。 実行方法についてどのように約束したかによって決まり、目的物を自分で売却してその代金から回収を得るという方法と、目的物の所有権を取得した上で評価額との差額を債務者に支払うという方法があります。
Q12 先取特権とは何ですか。 実行することで債務者の一定の財産から優先弁済を受けることができる権利です。法律が定める特別な債権について、とくに設定する契約をしなくても自動的に発生します。 代表的なものとしては、動産の売買によって生じる動産売買先取特権があり、これは売買代金について、売買の目的物から優先弁済を受けることができます。
Q14 連帯保証人というのはどういう責任を負うのですか。 簡単にいえば、連帯保証人は、債務者本人とまったく同じ責任を負います。債務者本人が期限に支払わない場合に、請求を受ければ必ず支払わなければなりませんし、連帯保証人に財産があれば強制執行の対象となります。 また仮に債務者本人が倒産したとしても、連帯保証人の責任はそのまま残りますので、連帯保証人に対して請求をしていくことが可能です。
Q15 保証契約の際に、気をつけるポイントはありますか。 保証契約は、民法改正により、平成17年4月1日以降は書面で契約しなければならないことになりました。 また、根保証や身元保証のように特殊なものについては、契約内容によっては無効になってしまう場合があります。詳しくはご相談ください。
Q16 人的担保を実行するにはどうすればよいですか。 保証人や連帯債務者に対し、債務の履行を求めて請求をします。 この際、連帯保証人に対しては、主たる債務者に請求するより先に請求していくことができます。
Q17 取引先(売掛先)が「一括では支払えないので、分割で支払わせてくれ」と言ってきました。当社としてはこれに応じてもよいのですが、そんな約束をしたことはないと後で言われないか、本当に分割払いをしてくれるのか不安です。何かいい方法はありませんか。 約束を反故にされないためには口約束ではなく、契約書の形にしておくべきです。 そして、さらに支払を確実にするためには、その契約書を公正証書にしておくことをおすすめします。判決や和解調書と同様に、公正証書があれば、訴訟を起こすことなく相手方の財産に差し押さえをすることができます。 債務弁済契約書や公正証書の作り方については、ご相談ください。