〒460-0002 愛知県名古屋市中区丸の内3-7-19 法研中部ビル2階

お気軽にお問合せください

受付時間:9:00~17:00
定休日:土日祝祭日

相談事例

私はY社の総務部長です。
先日、弊社の従業員Xさんが退職し、弊社に退職届を提出しました。Xさんは勤続15年で、年収620万円でした。
ところが、退職後、Xさんは弊社に「本当は辞めたくなかったのにむりやり辞めさせられた。復職したい。」という内容の
手紙を送ってきました。弊社はXさんの申し出をお断りしました。
その後しばらくの間、音沙汰がなかったのですが、数日前、裁判所から弊社に「労働審判手続期日呼出状・答弁書
催告状」という書面と、ほかに色々な書面が送られてきました。
その書面には、Xさんの言い分として、
「退職を強要されたので退職の意思表示を取り消す。元の職場に復帰させよ。
退職日以後の給料相当額620万円を支払え。」
などと書いてありました。
どう対応したらよいのでしょうか。

解決までの流れ

 1.法律相談

(1) 私は弁護士さんに電話をしました。弁護士さんから、
  「今回の件に関係するかもしれない書類一式と裁判所から送られてきた書類一式を持ってきてください」、
  「Xさんとの間でやり取りした書類一式、Xさんの退職に至る出来事を箇条書きにしたメモを持ってきてください」
と言われたので、それらの書類を持って行きました。
 
(2) 相談の日、私は、弁護士さんの事務所へ行きました。
 弁護士さんから、
  「労働審判は本人でもできますよ」、
  「第1回目までに御社の言い分をまとめた答弁書を作成して裁判所に提出する必要がありますよ」、
  「答弁書に書いた事実について、証拠を集める必要がありますよ」、
  「証拠のひとつとして、陳述書を作成する場合がありますよ」
などの説明を受けました。

弊社は売掛金の回収くらいしか訴訟の経験がありませんし、
ましてや労働審判は全く経験がありませんでしたので、弁護士さんにお願いすることにしました。
おかげで、弁護士さんに答弁書を要領よく書いてもらえましたし、陳述書の書き方も教えてもらえました。
また、「こういう証拠があれば有利なんだけど。」というアドバイスをいくつももらって、できるだけ証拠を集めました。
そのほかにも、第1回期日で裁判官からどんなことを聞かれるのか、どうやって答えればいいのかなど、
弁護士さんと何度も打合せしました。
労働審判の準備はとても大変で、とても一人ではできなかったと思います。

【弁護士に依頼するメリット】
  • 御社の言い分を裁判官や労働審判員にわかりやすく伝える答弁書を作成することができます。
  • 御社の言い分を証明するためにどのような証拠が有効かアドバイスすることができます。
  • 御社の言い分を裁判官や労働審判員にわかりやすく伝える陳述書作成をアドバイスすることができます。
     
arw_s1lw-02.gif
 2.第1回労働審判期日
(1) 労働審判期日に、弁護士さん、総務部長の私が出席しました。

(2) 裁判官と審判委員は、まず、Xさんに質問をしました。
その後、私に対しても、Xさんの退職に至るやり取りについて質問をしてきました。
私は、事前に、弁護士さんと打ち合わせて、事件のポイントを聞いていたので、裁判官の質問に落ち着いて答えることができました。
予想外の質問もありましたが、事前に弁護士さんからのアドバイスもありましたので、何とか対応することができました。

(3) 裁判官や審判委員の質問は2時間におよびました。その結果、
Xさんが顧客との間でトラブルを起こしたこと、
Xさんは過去に同種のトラブルを数度起こしたことがあったこと、
弊社の従業員数人が数日間にわたり入れ替わり立ち替わりXさんに退職するよう勧めたこと、
私はXさんに退職届を渡し自宅で記入し提出するよう話をしたこと、
Xさんは自宅で退職届を作成したこと、
という話が出ました。
 
(4) 裁判官は、さきほどの質問と回答をもとに、Xさんに席を外してもらい、弊社に対し、話をしました。
裁判官は、弊社に対して、Xさんの3ヶ月分の賃金相当の解決金を支払って調停に応じる考えはないかと言われました。

(5) 私は、その場での回答は控え、会社に持ち帰って検討することにしました。
 【弁護士に依頼するメリット】
  • 事件の争点についてわかりやすく説明しますので、ポイントを絞って事前準備できます。
  • 裁判官や労働審判員からの質問を予想し、回答方法についてアドバイスを受けることができます。
  • 予想外の質問で、とっさに回答できないときの対応方法についてアドバイスします。
arw_s1lw-02.gif
3.期日後の打合せ
(1) 第1回労働審判期日の1週間後、私は、弁護士さんと今後の対応を打合せに行きました。

(2) 弁護士さんからは、裁判官の提案(調停案)の内容やその理由を説明してもらいました。おそらく裁判官や審判員は、弊社の、Xさんの退職手続について、強迫などの違法行為はないが、他方で、退職勧奨の方法に行き過ぎた点がある、と考えているようだ、とのことでした。

(3) 次に、弁護士さんから調停に応じない場合は訴訟になるかもしれないと説明を受けました。

(4) 弊社は、訴訟になった場合のメリット・デメリット(メリットとして、これ以上費用や時間をかける必要がなくなること、
デメリットとして、退職した他の社員も同様の申立をしてくる等波及効果がある場合もあること)を検討し、労働審判手続内での解決を目指すことしました。 
【弁護士に依頼するメリット】
  • 裁判官(や労働審判員)の発言の意味・調停案の内容などをわかりやすく説明しますので、あなたにとって有利な点や不利な点がわかります。
arw_s1lw-02.gif
4.第2回労働審判期日
(1) 約1ヶ月後、第2回労働審判期日が開かれました。弁護士さん、総務部長の私が出席しました。

(2) 弊社は裁判官に対し、3ヶ月分の賃金相当額を支払うという調停案に応じる意思があることを伝えました。
申立人のXさんも、同案を受け入れました。

(3) その結果、弊社とXさんとの間に調停が成立し、事件発生から約3ヶ月という短期間で、迅速に解決することができました。 

労働審判の準備はとても大変でした。弊社だけで労働審判の準備をするのは無理だったと思います。
弁護士さんに依頼したので、時間も手数も節約することができました。

弁護士費用の目安

以下は、本相談事例に即し、申立人が、620万円の支払いを請求した場合の弁護士費用の算定例です。
事案により、それぞれの費用は異なりますのでご相談ください。

(1)着手金 440,000円(税込)
(2)報酬金 880,000円(税込)

労働審判手続の概要

1.審理期間が短い
原則として、3回以内の審理で終了します。
訴訟に比べると、迅速です。その反面、訴訟に比べると、準備期間が限られています。
 
2.民間人が手続に関与します
労働審判手続は、裁判官(労働審判官)1名および民間の労働審判員2名(使用者側1名、労働者側1名)により
構成される労働審判委員会が主宰します。
 
3.審理は非公開
通常の民事裁判手続と異なり、労働審判手続は非公開です。
 
4.調停と労働審判
労働審判委員会は通常、第2回期日までに何らかの調停案を示します。
労働審判委員会の調停案を受け入れて解決することもできますし、調停案に応じないこともできます。
当事者の一方又は双方が調停案に応じない場合は、労働審判委員会の決定(労働審判)が言い渡されます(告知されます)。
当事者双方は、言い渡し(告知)の日から2週間以内に、異議を申し出ることができます。
適法な異議申立てをした場合、労働審判手続の申立時に訴え提起があったものとみなされます。
したがって、通常の民事裁判に移行します。

お問合せ・ご相談はこちら

お電話でのお問合せ・ご相談はこちら
052-950-2080

受付時間:9:00~17:00
定休日:土日祝祭日

悪質クレーム、民暴(民事介入暴力)被害、企業法務のご相談なら、
弁護士として長年の実績を誇る「あゆの風法律事務所」にお任せください。
皆さまの力になれるよう、最善を尽くします。お気軽にご相談ください。